今年の落花生の作付面積は増える?減る?落花生屋が予想【2021年版】
今年の落花生の作付面積は増える?減る?落花生屋が予想【2021年版】
落花生の国内生産量80%を誇る千葉県の中で、
地域ブランドにも指定され、落花生生産量が全国1位の八街市(やちまたし)
そのやちまた市の落花生屋が2021年の落花生の作付・栽培面積が増えるかどうか?
理由も合わせて予想します。
※主に千葉県の作付け面積についての記事になりますが、他県の方もご参考になると思います。
この記事で分かること
・落花生の需要と供給について(人気はどれくらいあるか?)
・最近の落花生の作付け状況について
記事のラインナップ
2020年の落花生の作付け状況と収穫量はどうだったのか?
2021年の落花生の作付け面積は増えるのか?減るのか?
の順で詳しく解説します。
※この情報は当店の主観・客観的情報を織り交ぜて、解説しています。
他の落花生屋とはまた意見が違う可能性もございます。
一個人・一店舗の意見としてご参考にしていただければと思います。
記事の信ぴょう性・筆者について
「石井進商店」(いしいすすむしょうてん)
・1955年創業したピーナッツ専門店。
・落花生の名産地!千葉県八街(やちまた)市で65年以上落花生を販売中!
・落花生に関する情報を長年の経験と知識から発信しています。
2020年の落花生の作付け状況と収穫量はどうだったのか?01
落花生の作付け・栽培面積の増減や収穫量はどうだったのか?千葉県の落花生屋が丁寧に教えます。
お伝えする詳細情報は、千葉県八街市を中心に千葉県の落花生状況がどうだったかお伝えします。
・2020年の落花生の作付け・栽培状況について
政府がまとめている落花生の作付けデータ(令和元年・2年度分)を参照に解説いたします。
理由①:ベテラン落花生生産者の引退が年々増えている。
これはどの作物の生産者もそうですが、高齢化が進んでいます。
それは落花生の生産者も例外ではなく、年々増えている傾向です。
ベテラン落花生農家様は、落花生の作り方を熟知しておりますので収穫量は多く良い品質の物を作っています。しかしその技術を受け継ぐ人がほとんどいません。
そのため、その代で途絶えてしまい、落花生の作付け面積も減ってしまっています。
理由②:新規参入がしづらい
・落花生の育て方がわからない人が多い!
落花生という作物は、全国的にとても限定的な作物です。
そのため作り方や収穫の仕方など身近に知っている人がいないと新規で始めるには難しいです。
・落花生の便利な機械が少ない!
また、落花生の機械は他のメジャーな野菜などに比べて、悲しいことにほとんどありません(泣)
実用的に使用できるのは収穫の際に使う「脱粒機」(だつりゅうき)は便利です。
しかし、他の落花生機械は実用性がまだ低い点
他の作物(野菜)の機械に比べると落花生の機械は実用性が低いうえに値段が割高なので生産者もなかなか手が出せないのかな…という私個人の意見です。
この記事を読んでいる機械メーカーさんがいましたら、本腰を入れて落花生農家様が楽に栽培できる機械を作っていただけたら落花生屋としても嬉しいです。
しかし、落花生の需要自体は高まっている!
ここ何年か、落花生屋からしても「落花生の相場」は高くなってきています。
相場が高くなっている理由は、消費者からの需要が増えたからです。
主に落花生の健康・美容効果をメディアなどで紹介したり、千葉県産落花生のおいしさを今まで知らなかった方たちが知ることが増えたおかげで需要が伸びています。
需要が増えるにつれて、品質の良い味の良い落花生の相場は高くなります。
生産者(農家様)からしたら、安定した収入源になります。
良い落花生を作れるようになるには、努力して試行錯誤する必要がありますが、千葉県で農業を営んでいる方なら、落花生作りは落花生屋としてもおすすめです。
最近では千葉県以外にも関東圏で落花生を作る方も増えているそうです。
・2020年の落花生の収穫量(千葉県内)
作物面積は減りましたが、収穫量自体は意外にも昨年より増えていました。
前年と比較してみると…
全体的な落花生収穫量は800t(6%)増加しています。
千葉県ですと、900tも増えていることになります。
しかし、このデータだけを鵜吞みにしてはいけません。
データと落花生屋の実情は異なる!
私たち千葉県の落花生屋が直接肌身で感じた落花生の収穫量は、大型台風被害のあった一昨年より少ないです。
理由は、今回のデータのような全体的な収穫量ではなく、
「製品化できた落花生」が少なかったということです。
あと統計データはあくまで参考までのデータと考えてください。
実際のところは落花生に限らず、野菜の収穫量を100%データ化するのは無理です。
例えば、個人で野菜を販売している人が記載ミスをしてその日出荷したじゃがいも3キロ分書き忘れたらそこでもうデータは変わってきます。
それを統計にまとめる際に、「ここが間違っていますよ~」とは指摘できませんので(リアルタイムでチェックしているわけではないので)あくまでおおよそこんなものかなという形でしか統計データは集計することは難しいと考えます。
話を戻しまして、仮にこの落花生の収穫量が正しいと仮定しても、全ての落花生が製品にできるわけではありません。
この収穫量に対して、製品として使用できた落花生は少なかったという事になります。
実際の落花生屋の実情
2021年の5月現在、落花生の在庫がほとんどなくて困っている落花生屋がすでにちらほらいる状況です。
当店のような契約農家が多い落花生屋でも、今年は在庫が少ない傾向です。
Q:ではなぜ、製品化できる落花生が2020年度は少なかったのか?
A:落花生の実をつける時期に雨が降らなかった or 水をまかなかったから
昨年は大型台風がこなくて一安心かと思いきや、普通の台風すら来なかったので落花生の水分不足が発生していました。
落花生の実をつける時期に、水分不足になった落花生は当然ですが実を作りません。
水分不足の時は、子孫を優先する!
少し落花生の栽培の知識のお話をします。
どの動物も作物もそうですが、その種を繁栄させることが目的です。
落花生の場合は、通常は殻の中に2粒の実が入っていると思います。
しかし水分不足に陥ったら、落花生は実を作っている途中で、片方の実を殺して少しでももう片方の実を育てることに予定をシフトします。
ダメ押しで肥料もやっていない土で栽培している落花生ですと、栄養も足りてないので中身が入っていないスカスカの落花生が完成します。
今年は主に水分不足などでそういった落花生が多かったため、製品化できる落花生が少なかったです。
こういった年にしっかりと水まきをして、肥料もしっかりまいていた生産者の落花生は例年通りに収穫量はありました。
2020年(令和2年)の落花生の収穫量まとめ
「統計データ」だと昨年よりも増えている。
がしかし、それは落花生の収穫量であって、「製品化できる落花生」ではない!
落花生屋の実情からすると、「製品化できる落花生」は例年より少なく苦労している!
2021年の落花生の作付け面積は増えるのか?減るのか?02
2020年の落花生の作付け面積・収穫量なども参考に落花生屋の当店が独自に予想してみました。
お伝えする意見を鵜呑みにせず、一個人の意見として、参考に聞いていただけたらと思います。
先に予想の結論をお伝えします。
私の予想は「昨年と変わらないか、少し減少する」です。
理由を述べていきます。
・理由①:昨年「製品化できる落花生」が少なかったから
「え?製品化できる落花生が少なかったから、逆に今年はもっと需要が伸びて、落花生の値段も良くなるし、今落花生を作っている生産者はもっと作りそうだけど…」
と考える方がほとんどだと思います。
実際そう考えている農家様はいると思いますが、
”厳密には作りたくても作れない„というのが実情です。
その理由は
昨年の製品化できる落花生が少ない=翌年の栽培に使える落花生のタネが少ないからです。
落花生のタネっていつの物を使うのか?
基本的には、その年にできた落花生の中から翌年に使用するというのがほとんどです。しかし今年はあまりにも昨年の落花生が少ないため、タネとして使えるものが少ないです。
当店の農家様も来年用にとっておいた落花生をいざ種用に使おうとしたら、使い物にならないから…という方が多数見受けられました。(後日当店に種を買いに来ました)
実際に農協や近隣の種屋さんで落花生のタネは例年に比べて少ないので一般の方が入手するのは難しいかもしれません。
落花生屋自体も契約農家様に頼まれた分を渡すので精一杯なのではないかと思います。
よっぽど落花生の種を大量に確保している落花生屋や種屋がない限りは作付面積が爆発的に増えるっていうのはないのでないかなと考えています。
理由はもう一つあります。
・理由②:落花生栽培をする人が少ないため
そもそもの話ですが、落花生を作ろうと考えている人が少ないのでないかと思います。
農家様の中でも、初めて落花生を作ろうかなと考える人もいると思いますが、実行に移す人は少ないです。
「今年は空き畑ができたから落花生を作ろう」と農家様も一度は考えますが、前章で話した通り新規で始めるにはハードルが高く感じる人が多く、別の作物を作ってしまう方が多い現状です。
落花生は、作物の中でも労力の大きい部類に入り難しい作物だと考えます。
しかし、それを乗り越えて試行錯誤して落花生に向き合っている生産者は、品質の良い落花生を作れるようになり安定した収入源になります。
落花生屋としては、作る方が増えてほしいと思うのもありますが、農家様が落花生を極めることは生活していく上では悪くない選択肢だと私は思います。
2021年落花生の作付予想まとめ
当店の予想「落花生の作付面積は変わらないか少し減る」
理由①:昨年の「製品として使える落花生」が少なかったから為、今年の種として使用できるものが少ない。
そのため、落花生の生産者が作付面積を増やしたくても、原料がないため難しい。
理由②:落花生栽培の敷居が高い。
近年の落花生の相場が安定して高いにも関わらず、新規でやろうと考える人が少ないのはやはり敷居が高いのかもしれない点
この予想を良い方に裏切って、たくさんの方が今年落花生を作ってくれたら嬉しいです。
以上が、今年の落花生の作付面積は増える?減る?落花生屋が予想【2021年版】でした!
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